空き地のラブソング

さて。4の最後の曲です。

「空き地のラブソング」

これは「落下ガール」と対照的にかなり練りに練った曲です。ずっと同じ所にいる地縛霊。子供の時から見ていて大人になってもいる。なんだか馴染みになっている幽霊っていうイメージが最初にありました。で、今作のコンセプトはラブソング。これは地縛霊に恋した人の曲にするべきだろうと。そうなると子供時代のエピソードから大人になってからまでの事を語る必要があってかなり長い曲になることは予想できました。そんな長い歌詞かけるか不安はありましたが何事も挑戦です。

で、幽霊に恋するってどういうことかと。多分、顔を赤らめて「え、なに言ってんのバカじゃないの」とか幽霊は言いません。恐らくまったくコミュニケーション取れないだろうと思います。3D映像に恋をしてしまったというか。存在する次元が違うんですから。ここらへんの雰囲気は手塚先生のポスターの中の女の子にに恋をしてしまった「風の中のルン」や母親の昔の写真が実体化する映画「さびしんぼう」を参考にしました。なんかこういう本来、恋が発生しない存在の恋っていうのはグッときます。好きなんですねぇw

曲が完成して妻に聴かせたらこっちの思う壺、泣かせる事に成功。自分の勝利を確信しましたw

落下ガール

ようやく子供が寝静まり妻も帰ってきたので晩酌の時間です。飲みながら更新します。4の九曲目

「落下ガール」

この曲はこのアルバムの中で一番最後に出来た曲です。九曲作った時点で本当にネタ切れを起こしまして。いくら考えても何も出てこない状況になりました。仕方が無いのでまったく完成形が見えないまま曲を作り始めました。こういう時って自分の手癖や基本能力がモロに出ます。仕込むネタも無く奇抜なアイデアも無い状態ですからごまかしが利きません。でも手癖っていうのは癖になるくらい自分が好きな要素な訳で師匠が言っていたんですが「適当な部分こそ一番自分が出る部分」。これは事実だと思います。手癖と知識だけで曲をまとめていくといつの間にか凄く自分好みの曲が出来上がっていきます。

歌詞はテーマとして「投身自殺」が出てきましたが、まったく纏まりせん。あとはラブソング。ストーリーがないまま取りあえずメロディにそれらしい単語を当てはめていきます。そうすると不思議な事に最初のフレーズさえ出てくればスルスルとストーリーが紡ぎだされます。曲も歌詞も自分で作ったって感覚は無く本当に自然に出てくるって感覚です。

こういう風に出来た曲は自分にとって凄く新鮮で「俺、こんなの作れるんだ」と思います。かなり気に入っている曲です。

 

祟り神

今週は夏バテなのか更新が滞ってしまいました。ちょっと気合入れなおして頑張っていきます!4THアルバムも大詰めです。八曲目。恐らく一番人気の曲です。

「祟り神」

妻と飲んでいる時、「末代まで祟ってやる」というフレーズがテレビから流れました。すると妻が「末代まで祟るっていい言葉だよね~」と言います。なに言ってんだこいつと聞いてみると「だって末代まで続く事が前提になっているでしょ」との事。なるほどと思いました。結婚しない事や子供を作らない事が選択肢としてある現代では末代や孫の代がある事が前提として行われる呪いや祟りは一種の祝福のようにも思えます。アイデア頂きました。

最初は「祟ろうとしているのに結果的に相手を助けちゃうドジっこ幽霊」というコミカルな物を考えていました。しかしアルバムのコンセプトはラブソング。ちょっと恋愛要素も加えようとしました。「じゃあこの幽霊は憑いてる人が好きで・・・だったら生前は付き合っていたという事にして・・・」なんてやっていたらいつの間にか凄く切ないラブストーリーが出来上がっていました。自分でもビックリです。ラブストーリーなんか作れないと思っていましたからw

曲はストレートにいい曲をつけようと思いました。小手先のテクニックや変化球ではこの歌詞に負けちゃうと考えたからです。かくしてイキグサレでは珍しい捻くれていないストレートなラブソングが出来ました。PV作ったら割りと人気でたのでまたこういう曲作ってみたいのですが、作ろうとすると出来ないんですよね、これが。

繋がリンク

昨日は寝不足が祟って更新できませんでした。ゲームやってたからなんですがね。無職生活も板についてきましたw それはそうと曲紹介、4の七曲目

「繋がリンク」

アルバム通してずっとアップテンポのノリノリの曲だと疲れるし飽きるのでスローな曲というか流れを変える曲が一曲は必要だと思っています。改めて見てみると私のアルバム構成って大体同じです。一曲目はアルバムのコンセプトを色濃く打ち出しなおかつキャッチーな曲を配置して、その流れのまま何曲か。アルバムによって位置はまちまちですが流れを変える曲を一曲配置して、そこから後半戦。エンディングに向かっていく、という流れ。この流れを変える曲って割と重要だと思っていて同じような曲が続いてだれた時、再度集中してもらえるように、レコードだったらA面からB面に変える作業、テレビ番組だったらCM前とCM後のアイキャッチのような役割があると思います。ファーストは「柔道」。セカンドは「奇術ショー」。サードは「あの手を握って」。今回はこれ「繋がリンク」です。

そういう意図で作り始めたのでしっとりとしたスローバラードに仕上げたんですがこういう曲が出来ると捻くれ物の私、エゲツない歌詞付けたくなります。そんなときなにかのメディアで「君は一人じゃない。みんな繋がっている」というよく聞くフレーズを耳にしました。その時「そう、みんな繋がっている。悪意でな!」というアイデアがいきなり出てきました。 それを元に作詞したんですがなんだか自分でも身に覚えがあるような身につまされるような感じの歌詞になりました。私もイライラを人にぶつけない様に気をつけますw

さあ次の曲から怒涛のラブソング波状攻撃です!

ネイルガン

酔っていますがブログ書く時間確保できました!4の六曲目

「ネイルガン」

前回書いたようにこの時、音源変えたんですが新しく入っていた音色に三味線がありまして。これは是非とも使いたいと。お手軽に和風の感じが出せますし、日本的なホラーには持って来いです。普通の和風ロックじゃなんかつまらない気がしたので和風ファンクにしました。ファンクだといつもスラップベースにしてしまうんですが今回はあえてフィンガーベースにしました。もう「蝿の女王」でスラップやってますしね。敬愛して止まないベーシスト、ジャコ・パストリアス風のベースラインでファンキー感を出しました。

純和風のホラーを考えたとき、まだやっていないネタを思いつきました。丑の刻参りです。藁人形に五寸釘打ち付けるアレです。それと同時に暖めていたネタも思い出しました。キング・オブ・ホラー・ウェポンはチェーンソーです。それに匹敵する電動工具ないかなと考えて釘打ち器、ネイルガン。なんとか使えないかなぁと考えていました。この二つのアイデア合体させてバス、バス、バスと効率よく呪いを掛けまくる女の子のアイデアが出来ました。でもそんな大勢の人を呪うほど恨みを持つってのは感情移入出来ないし、職業として呪い屋ってのもリアリティがありません。そこで思いついたのは「こんなんで本当に死ぬのかなぁ」と思いつつ興味本位で呪いをかけている子。無差別呪殺です。無差別大量呪殺ってフレーズは我ながら良く出たなと思っています。

丑三つコール

今日、昼間にも更新しましたが多分明日は記事書いている時間、無いと思いますので今夜もう一個書いちゃいます。4の五曲目

「丑三つコール」

このアルバム製作中、長年音源として使っていたシーケンサー「QY21」が壊れてしまいました。探したんですけど中古でもなく、しかたなく一つ上のモデル「QY70」を中古で購入。入っている音がQY21と少し変わっているので不安でしたが、なんとか無事使えるようになりました。このQYシリーズの特徴でパターンというのがあります。様々なジャンルの音楽のパターンが100種類も入っていてコードを入力すれば曲を演奏してくれます。これ、まんま使った事は無いですが店番しながら作っている時メロディに取りあえずのコードをつけたり○○風な曲を作ろうとした時、○○風なパターンを解析したり結構重宝していました。21から70にグレードアップいて入っているパターンも全部変わっていたんですがその中に「テクノポップ」というパターンがありました。

そういえば四つ打ちのテクノって作ったこと無かったなと思い作ってみる事に。パターンを解析してみたんですがなんか物足りない気がしたのでギターとベースをジャキジャキに歪ませてみました。歌詞もせっかくのテクノですから電子的な怪談にしようと思いました。そこで思いついたのが電話系怪談です。電話にまつわる怖い話のお約束を詰め込みましたが、このアルバムのコンセプトはラブソング。愛する人の電話を待ちわびているような雰囲気も入れてみました。なんだか怖いような切ないような不思議なテイストの曲になったと思います。この「私」はどういう境遇の人なのか作った私自身気になりますw

地獄委員長

最近、妻の仕事が忙しく夜遅くに帰宅します。私は完全に専業主夫のような生活ですが子供二人がHPを激しく削り吸い取ってくれます。でも私は元気です!

曲紹介いきます!4の四曲目

「地獄委員長」

爽やかな曲、ハードな曲、ポップな曲と続いたので今度はソリッドでクールな曲にしようと作り始めました。同時に歌詞も考え始めました。当初考えていたのは「正論や正義を振りかざした過剰な攻撃性」をテーマにしたものです。でもいくら考えても愚痴っぽくユーモアが足りない歌詞になってしまって「このテーマはやめよう」と思ったんですが、散歩中突然思いつきます。「小学校のクラスの話にしよう」と。終わりの会のイジメに等しい吊るし上げや子供ゆえの融通が利かない正義感などテーマにピッタリだと感じました。大人から見ると意味不明で歪んでいるようにも見える子供同士のルールやコミュニティ。ホラー要素も十分です。

曲も小学校を意識させるリコーダーと木琴の音源を使ってみました。これがいい感じにハマってくれてテンションMAX一気に完成まで持っていけました。子供ゆえの残酷さ、見当違いな事を大真面目にしているユーモラスさ、そして恐怖。うまく表現出来たんじゃないかと思っています。

笑いの家

はい!今日から通常営業です!4の三曲目

「笑いの家」

この曲も「ラズベリー・マーマレード・プディング」のようにノリノリのアイドル歌謡作ろうと手をつけました。狙ったのはYMOというか細野晴臣氏が作られたようなアイドルソング。結果は「らんま2/1」のオープニングテーマみたいになってしまいましたがこの曲も好きなので結果オーライです。

妻との会話中、妻の口から「笑いの絶えない家」というフレーズが出てきて、勿論それは幸せな家庭という意味だったんですが作詞モードに入っていた私はすぐに捻くれた事を考えます。「それが狂気の笑いだったらどうだろう」と。それを足がかりに色々考えたんですがやっぱり霊現象、または精神疾患による幻聴という風に落ち着きました。黙ってジーっと立っている幽霊も怖いですがゲラゲラ笑っている幽霊も怖いです。でも映像では「女優霊」ぐらいしかいないんですよね。結構扱いが難しい幽霊なんだと思います。

目潰し姫

今日は夜お出かけですので朝、更新しちゃいます。

4の二曲目。

「目潰し姫」

一曲目「蝿の女王」が歌詞はともかく曲は爽やかな感じになったので次はちょっとハードな感じな曲にしようと作り始めました。とりあえず一曲作れば流れを考えて次のアイデアが出てくるのでかなり楽になります。

歌詞の方は「スキマニア」でちょっと触れた神経症。これをガッツリテーマにしようとしました。「スキマニア」の時は隙間恐怖症と閉所恐怖庄。今回は「視線恐怖症」です。今は全然平気ですが私、若い頃ちょっとこれのケがありました。さすがに生活に支障が出るほどではありませんでしたが人前に出たり人ごみに行くことがかなり怖かったです。恐怖を感じるんですから体は萎縮して逃げ出したくなるんですがもし、視線恐怖症を患っている人が恐怖に打ち勝つ勇気を持ち攻撃性が高かったらどうなるんだろ?と思いつき歌詞のアイデアが出ました。攻撃的でノリノリの曲が出来たと思っています。

蝿の女王

先日、話題に出た日野日出志先生がツイッターを始められたようで条件反射的にフォローさせていただきました。こんなミーハーな行動初めてです。でも、あの日野日出志先生なんですから。しょうがないですよね!

今日、解説する曲は4の一曲目。人気の有る曲です。

「蝿の女王」

今朝、書いたようにまったくアイデアが出なかった時、妻と小洒落た雑貨屋さんに入る機会があって店内に流れていたこれまた小洒落た音楽が妙に耳に残ってしまいました。なんてことは無いメジャー系のコード進行にマイナー系のドミナントが入っているだけなんですがなんだかこの時グッときました。それを足がかりに曲を作り始めました。

「どうか どうか」の時、書きましたがネズミの被害がまた起きまして。駆除業に頼んだのですがこの時、どうやら天井裏か軒下で死んだネズミがいたようで。屋内に蝿が大量発生しました。馴染みあるギンバエやイケバエのように素早くなく簡単に素手で殺せます。しかしそれが何十匹といるんです。なんだか恐ろしくなりました。「毒で殺されたネズミの呪いか?」なんて思いました。そこでピンときました。死体に湧いた蛆が羽化して蝿となり飛んでいく。これってまさに魂の分解と拡散なんじゃないかと。そういえば持っている世界妖怪図鑑に蝿の女王ナスってのが載っていてゾロアスター教の悪魔で死を司る女神だったはず。有名なベルゼバブもいます。そして今回作ろうとしているのはラブソング。一気にアイデアが広がりました。

先ほど書いた作りかけの曲が綺麗な感じにまとまってきたので、この蝿のアイデアと合わせました。アルジェント監督の「フェノミナ」。登場するジェニファー・コネリー演じる虫少女のイメージも取り入れ美しく、おぞましく、情熱的な曲になったと思います。自分で作っておいて言うのもなんですが「幾千幾万の二人の子よ」の件は、おぞましくも一途な愛が表現できたんじゃないかと思っています。自信作です。